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石巻に、絆や命の大切さを実感できる、新しい介護事業モデルを


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    私は、宮城県石巻で約30年、小規模多機能型居宅介護事業所である「めだかの楽園」という介護事業に携わってきました。この活動の原点は、弟の障がい(小児まひ)、そして、私自身の障がいだと考えます。

    私は、小学3年生の時に母親を亡くしたのですが、障がいの影響から学校でいじめを受けている弟を、幼い時から、母親の代わりに助けたいという気持ちを強く持っていました。また、私自身も22歳の時に心臓弁膜症を患い、昭和59年(38歳)まで、当時の医療技術では手術ができず、保母の仕事を退職したのですが、ちょうどその頃(昭和60年)に、私は障がい者協会に入り、活動を始めました。当時の私は、このような活動は、健常者が行うものだというイメージをもっていたのですが、実際は、多くの障がい者が活動していて、自分よりも厳しい環境におかれている方々が、前向きに活動している様子に触れ、大きな刺激を受けたことを覚えています。この経験から、目に見える、見えない障がい、障がいの程度に関わらず、相手の立場に立ち、人の心に寄り添い、接することが、福祉、介護を担う者にとって何よりも重要だという意識を身につけました。そして、このことが、自分自身の活動を支えている原点になっていると考えています。

    私は、これまでの介護事業のように、介護スタッフが、利用者のできないことを代わりにやるのではなく、できるようにサポートをする環境をつくることが重要だと考えます。高齢や障がいの影響で、これまでできていたことができなくなる現実もあるとは思いますが、その多くは、周囲が、できないだろうから、時間がかかるからという理由で、自分でやる機会を与えていないことも背景にあると思います。私たちの施設では、地域の季節を感じられる風景の見学、畑での農作業、温泉入浴、お料理などの体験を積極的に取り入れ、昔、普通にできていたことを、自分でやるためのきっかけづくりにも取り組んでいます。これを実現するには、費用もかかり、リスクもあるため、一般的には敬遠されがちですが、私の施設では、家族会の了解も得て、これを積極的に取り入れています。結果、利用者達は、自分でできることが少しずつ増え、生き生きと毎日を過ごしており、私たち介護スタッフも、日々、利用者の方々から学びと気づきを得させて頂いています。

    東日本震災以降、石巻では、地域住民がバラバラになってしまいましたが、100人以上の方々が、石巻を離れる際に、「いつか石巻に戻ってくるから、石巻が復興した暁には、連絡をしてほしい」と、自分の住所を私に預けていかれました。私は、いつの日か、この方々に石巻に戻ってきてもらえるように、介護事業を通じて、新しい地域づくりに取り組みたいと切に願っています。

    ただ実際は、都市部から大企業が地元に入り再開発を進める動きもあり、資金力がないゆえに、目の前に立ちはだかる壁が大きいのも現実で、気持ちを強く持たなければいけないと実感しています。また、震災後、国や県が真っ先に梃入れをしたのは資金力のある団体で、私たちのような小規模施設には、国や行政からの物資や情報がなかなか集まらないのです。今回の震災で、経済性を重視した大規模施設では、被害が大きかったにも関わらず、また、同じような施設が建設されている動きに、矛盾を感じています。加えて、介護保険法適用前のボランティア時代は、県や市の行政関係者も現地をよく訪れ、この町に来ると、高齢者や障がい者等から歌声や笑い声が聞こえ、非常に良い取り組みをしている、この施設であれば、自分たちの親もお世話になりたいと思えると評価を頂いていました。しかし、介護保険適用後、福祉は利益を伴う事業ということで、民と行政の距離が遠ざかっているように感じています。

    私は、この公志園の参加を通じて、30年間の介護事業の経験と震災後の被災地の現状から見えてきた処方箋を、東北に限らず、他の地域にも発信したいと思います。今回、震災を通じて、多くの方々に助けられ、自分達の志や活動は、決して間違っていなかったことを改めて実感するとともに、地域の住民が結集した時の力の偉大さを再認識し、絆や命の大切さを実感できる、新しい介護事業を仕組み化したいと思っております。そして、そのために、民と行政が個別に、介護の問題を考えるのではなく、地域の包括支援センター、医師、福祉推進委員、現場の施設が、それぞれの垣根を越えて、共に協働し、高齢者や障がい者の支援(共生)の仕組みを作りたい、そして、石巻がその発信地となるように、残りの人生をかけて、新しい枠組みを構築したいと考えています。

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    井上利枝

    寄付先の団体情報

    社会イノベーター公志園運営事務局(NPO法人ISL社会イノベーションセンター)

    http://koshien-online.jp/

    社会イノベーター公志園は、時代が求める社会全体のリーダーの発掘、育成、支援を通じて、現状を打破し、未来を創り出す「人」とその「行動」への声援と賞賛を送り、行動を心から支援する装置(プラットフォーム)を日本に構築します。

    団体活動: 社会イノベーター公志園運営事務局(NPO法人ISL社会イノベーションセンター)の活動