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日本・タイのアーティストが、政治と個の相克をテーマにバンコクで国際共同制作を行います|演劇

タイと日本のアーティストの共同制作でギリシア悲劇を扱うということについて

2016 年 12 月 14 日 03:08

一般社団法人shelf
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そもそも何故、タイと日本のアーティストのコラボレーションプロジェクトでギリシア悲劇を扱うのか。一般にこの戯曲は、人間の作った「法」と神の定めた掟としての肉親への「情愛」の対立の物語である、とされています。それはまた政治を司る「男性」と、そこに関与することを許されない「女性」との対立でもあり、それ故にアンティゴネの方により感情移入して語られることの多い物語でもあります。

「ナショナリズム」と個人の「アイデンティティ」の関係について

ですが、私はここでむしろ、「法」の順守、「王」の大権を敬い守ろうとし、その己れの頑なさにおいて自らの身にも悲劇を招く「愚かな王」であるクレオンの物語として、物語を再構成したいと考えています。

その作業を通して考えたいのは、現在を生きる我々にとって、「ナショナリズム」とは何物なのかということです。

私は今ここで立ち止まって、そのことを再考したい。国家(ネイション)や、社会(ソサエティ)への帰属意識(=ナショナリズム)と、個人のアイデンティティ形成との関係を解き解したい。

そのようなことを考える材料として、このギリシア悲劇「アンティゴネ」を選びました。結論を先に述べてしまうと「ナショナリズム」は集団における「弔い」の作法の在り方、その共有にこそ根源があるのではないか? と、私はそのように考えています。

そしてそこに、現代を生きる作家であり思想家であるアーシュラ・K・ル=グウィンの言葉、それも1983年のアメリカのある大学で、卒業生のために送った祝辞というスピーチを全文引用して、作品を再構築したい。と、考えているのですが、そのことの意味は、また別な報告で改めて述べたいと思います。

演出、矢野靖人
フレデリック・レイトン (1830年 - 1896)イギリスの画家・彫刻家によるアンティゴネ

フレデリック・レイトン (1830年 - 1896)イギリスの画家・彫刻家によるアンティゴネ

ポリュネイケスの遺体の前のアンティゴネ、 ニキフォロス・リトラス(1904年 ‐ 1835年)

ポリュネイケスの遺体の前のアンティゴネ、 ニキフォロス・リトラス(1904年 ‐ 1835年)

アンティゴネとイスメネ、エミール・テシェンドルフ(1833年 ‐ 1894年)

アンティゴネとイスメネ、エミール・テシェンドルフ(1833年 ‐ 1894年)

ソポクレス(紀元前496年頃 - 紀元前406年頃)|アテナイの悲劇作家、古代ギリシア三大悲劇詩人の一人

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アーシュラ・K・ル=グウィン(1929年 - )|アメリカの小説家。代表作に『ゲド戦記』シリーズなど

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