【GD18】挑戦!オランウータンの父親さがし の詳細

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私たちは東南アジアのボルネオ島にあるダナムバレイ森林保護区で、大型類人猿「オランウータン」の生態を研究しています。 オランウータンは絶滅危機にある類人猿でありながら、野生での研究が難しいため、世界的に見ても研究者が少ない現状があります。 熱帯雨林の高い木の上をどんどん移動していくオランウータン。 そんなオランウータンを見失わずに追跡して研究をする為には助手の存在が絶対に欠かせません。 2018年から日本人若手研究者がダナムバレイに加わり「オランウータンの父親さがし」を始めましたが、助手の給与となる資金が足りないという問題に直面しています。 そこで、本キャンペーンで寄付を募ることにしました。

キャンペーンの概要

糞を採取、DNA解析による父親さがしの第一歩

糞を採取、DNA解析による父親さがしの第一歩

こんにちは、研究者の田島知之と申します。
私はボルネオでオランウータンのオスがどのように子どもを残すのか研究しています。

野生のオランウータンはなわばりを持たず、オスは25平方kmとも言われる広い地域を移動します。
そのため、彼らがどのような一生を送るのか、多くはわかっていません。
私はオランウータンの糞をひろってDNA解析することで、オスがどのように子どもを作るのか明らかにしたいと思っています。

オランウータンを追跡して、いつ落ちてくるかわからない糞を集めるためには、同行する助手が絶対に必要です。
そして、できるだけ多くのオランウータンから糞を集める必要があるのですが、それは想像以上に長い時間がかかる作業です。

私たち研究者がボルネオに行く費用は助成金でまかなえても、外国人の給与に使える予算はなかなかありません。
そうした理由で、2019年に現地で雇う助手へ給与を支払うための予算の目途がまだ立っておりません。
そこでこの度、皆様にご支援をお願いしたく、キャンペーンを始めました。

父親さがしの背景

顔が大きくて強いオス(フランジオス)

顔が大きくて強いオス(フランジオス)

顔が小さくて弱いオス(アンフランジオス)

顔が小さくて弱いオス(アンフランジオス)

大人のオランウータンのオスは、顔の大きなオスと、顔が小さいままのオスの2タイプに分かれます(写真)。
メスはいろいろなオスと交尾し、生まれた子どもは母親のみが育てるため、
どのオスが子ども父親なのか、外から見てるだけではまったくわかりません。

そこで役立つのは人間の親子鑑定にも使われるDNA解析の手法です。
私は以前、オランウータンの保護施設の周辺で糞をひろい、DNA解析することで「父親さがし」を行いました。
その結果、顔の大きな強いオスだけでなく、顔の小さな弱いオスも子どもを残しているという、面白い結果を得ることができました。
www.kyoto-u.ac.jp/ja/research/research_results/2017/180201_2.html

その傾向は果たしてダナムバレイの野生オランウータンでも同じなのか?と次の疑問がわきました。

前例がない研究

雌は平均7年に1回、1頭の子を出産する為、十分なサンプルを集めるのに長い時間がかかります

雌は平均7年に1回、1頭の子を出産する為、十分なサンプルを集めるのに長い時間がかかります

ダナムバレイにすむ野生のオランウータンでくらす子どもの父親は、どんなオスなのでしょうか?
実はこれまで、ボルネオ島の原生林で「父親さがし」をおこなった例はありません。
つまり、ダナムバレイで「父親さがし」をすれば世界で初めての成果をもたらすと期待できます。
顔の大きな強いオスがみんなのお父さんか?それとも小さくて弱いオスもお父さんになるのでしょうか?
メス(母親)たちは、どちらのタイプのオスを子どもの父親に選ぶのでしょうか?

全ては謎に包まれています。皆さんもこの未知への挑戦に一緒に取り組んでみませんか?

ダナムバレイでの調査概要

調査助手と研究者(基地の前で)

調査助手と研究者(基地の前で)

ダナムバレイでの野生オランウータン調査は、日本オランウータン・リサーチセンター副代表の金森朝子(京都大学・野生動物研究センター)が2004年に開始しました。
2005年より事務局長の久世濃子(国立科学博物館)が加わった後、日本の大学院生やマレーシア人学生が調査に参加してきました。
それぞれの研究者が独自のテーマ(採食、繁殖、生理学 etc)を追求し、たがいに資金を持ち寄り、協力して調査を継続してきました。
2010年に京都大学野生動物研究センターが「クアラ・スンガイ・リサーチステーション(KSDRS)」を建設、私たちは現在はKSDRSを調査基地としています。

なお、ダナムバレイで調査を始めた経緯や、調査の詳しい内容は、下記の本で詳しく紹介されています。
金森朝子(2013年)「野生のオランウータンを追いかけて」東海大学出版部
久世濃子(2018年)「オランウータン~森の哲人は子育ての達人~」東京大学出版会

太古の自然が残る森で、オランウータンの調査を続けるために

樹高50mを超える巨木が残るダナムバレイの森でオランウータンを探す

樹高50mを超える巨木が残るダナムバレイの森でオランウータンを探す

ダナムバレイでの調査は、京都大学やマレーシアの機関による協力の元、様々な助成金をいただいてこれまで運営してきました。
しかし、助成金は期間が1~3年程度と短く、長期的な財源は不足しています。
オランウータンは成長が遅く、寿命が長いため、その生態を解明するには数十年にわたる長期調査が必要です。
オランウータンの生息地は、農地や木材を目的とした森林伐採により減少している上に、今後は地球温暖化による気候変動により、さらに小さくなると予測されています。
その中でも、ダナムバレイは2080年以降もオランウータンが存続可能な数少ない有望な生息地です https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/gcb.12814/
私たちは是非、この貴重な森で研究を続けていきたいのですが、現実にはまだ2019年の人件費の目途も立っていません。
どうか皆さんのご理解とご支援をお願いいたします。


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